本来の意図とは違った形で認識されてしまう歌って結構ある。
その中の1つがこれ
レミオロメン「3月9日」
言わずと知れた名曲で、卒業式に使われることも多く、今や卒業ソングの定番。
しかし、本当はこの曲は友達の結婚を祝う曲だったとレミオロメンのボーカル藤巻亮太は語っている。
きっかけは、レミオロメンの代表曲の1つである「粉雪」が挿入歌として使われていた2005年の大ヒットドラマ「1リットルの涙」で、主人公の沢尻エリカが学校を辞めなくてはいけないシーンで生徒たちが歌を贈るというシーンがあり、そこで「3月9日」が合唱シーンで使用された。
そこから、徐々に卒業ソングという認識が生まれ、卒業式の合唱として使われるようになったんだとか。
卒業ソングではもう一つ
海援隊「贈る言葉」
この曲も卒業シーズンにはよく聞こえてくる曲であるが、ボーカル武田哲矢の実体験の失恋を歌ったもの。地元の福岡で当時21歳の女性にフラれたのを契機に作った歌で、本人の口からもたびたび説明がなされている。
まあよく歌詞を見ると愛するあなたとか深く愛したとか完全に恋愛の歌なんですけどね。(笑)
一青窈「ハナミヅキ」
まあ有名な話だが触れとく。
同タイトルの恋愛映画も公開され、恋愛の歌と思われがちだが、この曲は9.11のアメリカの同時多発テロを受けて一青窈が作詞した平和を願う歌である。
もともとはかなり攻撃的な歌詞だったり過激な歌詞も入っていたようだが、そぎ落とされて今の形なった模様。
意味がなかなか伝わりずらいとも言われるこの歌詞には、様々な隠された思いであったり、そして言い方を変えた平和を願うたくさんのメッセージが込められている。
森七菜「スマイル」
スマイル自体はカバー曲で、元はホフ・ディランのデビュー曲。
森七菜が歌う事で明るく元気な応援ソング的な認識の人もいると思うが、歌詞をよく見てみると「深刻ぶった女はキレイじゃないから」「人間なんてそれ程キレイじゃないから」などとだいぶ攻めた歌詞が入っている。森七菜のカバーにより、リバイバルヒットとなったわけだが、一部では歌詞に対しての批判もある。
また、ホフ・ディランのメンバーで作詞をしたワタナベイビーも「深刻ぶった~」の部分は後悔しているようである。「これがなければ男女の歌ではなく持った広い意味を持つ歌になったのに」と。ただ、25年以上歌い継がれている名曲には変わりないし、そもそも作られた時代が違う。
そしてTikTokで話題のこの曲。
きゃない「バニラ」
TikTokからヒットを記録した名曲。
聴いてみると真っ直ぐな恋愛ソングと思われがちだが、本来は主人公の自〇を歌った歌と本人は語っている。
きゃない自身の周りに起こった実体験なのか真偽は不明だが、どこか心を動かされる1曲になっている。
歌詞の捉え方は人それぞれである。
そして、そこには隠された意味があったり、楽曲を制作した本人しかわからないこともあったり。
そういったメッセージを考えながら、または理解して聴いてみるのもまた違った音楽の楽しみ方なんじゃないかと思う。