西野カナの代表曲といえば「トリセツ」
トリセツを知らない人に簡単に説明すると、トリセツとは取扱説明書の略で平成版関白宣言みたいなものである(笑)
男性に対して「私をこういうふうに扱ってね」というラブソングだ。
先日、ふとYou Tubeでミックスリストで曲を流していたら、流行ってそうな曲がかかってきた。優しい声でオシャレで良い曲だなあと思って調べてみたら、どうやらTik Tokで流行っている曲らしい。Tik Tokは情報収集のためにたまーに開く程度なのだが、確認してみたらやはり多くの動画で使用されていた。
問題のこの曲
再生回数は500万回越え(2022年7月現在)、確かに流行っている。
この曲を聞いた瞬間に思ったこと「あぁこりゃ令和版のトリセツだ」
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まず、全体的な印象として、トリセツはどちらかというと男性<女性という構図に聞こえていたのだが、この曲は男性=女性という力関係に思える。
やはり少し時代は変わっているなという印象。
歌詞
早速だが、歌詞を見ていく。
まずは相手に対しての言葉だ
西野カナは相手に対してこの度はこんな私を選んでくれてどうもありがとうと冒頭に伝えてはいるものの、そのあとはぶっきらぼうに(言い方悪いか(笑))男性に対して一方的に要望を伝えている。
一方、有華「Partner」
-----以下歌詞引用↓-----------------
I... I Love you Baby
愛...愛してる
君がそう私の人生の Partner
I...I Love you Baby
愛...愛してる
一生一緒に生きていこう My lover
いきなりI love youを伝えていてサビの度にI love youと歌っている。
一緒に生きていこうと”一緒に”言ってる時点でこれは2人の歌になっているのでここからすでに好印象である。
あとの歌詞は選んでくれてありがとうとかその他要望な部分は被ってしまっているが、好印象なのは変わりない。
音
トリセツに関しては要望をそのまま詰め込んでいるため、歌詞が詰め込まれすぎている感があるのに対し、Partnerはある程度音も意識して制作されており、韻を踏んではいないもののサビだけではなく、Aメロ、Bメロともに非常に語感もいい。
今の時代、歌詞そのものに重点を置く"共感"ももちろん大事なのだが、それと同時に音(メロディ)、聴きやすさもかなり重要視されているということがよくわかる。
流行
PartnerはAメロのDear 未来のHusband~のところに関しては少しラップ調(韻を踏んではいないが)で今のヒップホップのブームを取り入れているし、トラックに関してもヒップホップっぽいお洒落なトラックになっている。
西野カナのトリセツ時代は全くヒップホップが流行ってなかったのでこの要素はなく、ピアノを基調としたTHE 王道J-POPである。
また、今の時代、ヒットはTikTokからなのでヒットするにはそれなりにTiktokを意識しなくてはいけない。そのため、TikTokで使用されるサビ部分に関してはインパクトがあるというか耳に残るものでなくてはならないのだが、そんな中でPartnerはIIIIIloveyouとIを連呼し、愛愛愛愛愛してると愛を連呼する非常に耳に残るキャッチーなサビの作りとなっている。
男女として、カップルとしての価値観
時代の変化としては、
男が中心となって女の人はいう事を聞いて支えるいわゆる男尊女卑の時代
→女性優先で女性を特に大切にしなくてはいけないみたいな風潮(実際人によるしそんなこたぁない)
→男女関係なくお互いに幸せになろう←今ココ!!
みたいな部分でPartnerが流行ったのかなと考える。
冒頭でも触れたように男性=女性という力関係。
この考えは違うだろ!とか、あまり理解できない!という意見も生みそうだが、ぼやーっとしたイメージでなかなか言語化が難しいのが正直なところ。
価値観というものは時代によって少しずつ変わってくるものである。
まとめ
まあ実際この手の恋愛ソングはたくさん生まれているわけだが、その中でも今日はこの2曲にフォーカスを当ててみた。
また、西野カナはトリセツのような歌ばかりではないので安心してほしい。
実際、トリセツの次のシングルでは「あなたの好きなところ」という相手の好きなところを羅列する歌をリリースしている。
トリセツがリリースされた当時はトリセツのようなここまで取扱説明書じみた歌は当時にしてはかなり斬新で、切り口はかなり素晴らしく、西野カナに関してはさすが平成後期のケータイ世代恋愛ソングの女王とも言えるし、当時絶大な人気を誇っていた西野カナがやることに意味があった。
そして実際「遠くてもfeat.WISE」「もっと...」などのリリース時は筆者もファンだった。(笑)
少し西野カナに対し、批判的になってしまった部分もあるがこれは時代のせいであり、世の中の人の価値観が少し変わってきたということ。
もちろん当時は西野カナは世の中にぶっ刺さっていたし、西野カナが流行った当初、中学生だった私にとってはもちろんぶっ刺さり世代である。
それと同じように今の若い世代は有華の「Partner」を好んでいる。
今後どういった切り口で有華が攻めてくるのかにも注目していきたい。
ヒットの後が大事!