YouTubeの人気チャンネル、THE FIRST TAKEではnobodyknows+が出演し、こちらの動画が異例の再生回数を叩き出している。
最近、テレビなどでnobodyknows+を見る機会がめっきり減っていたが、この動画をきっかけに再度楽曲に注目が集まり、ビルボードチャート1位、動画が公開され、2か月以上が経った今も各音楽チャート上位とリバイバルヒットを記録。TV出演もCDTV、モニタリング、しゃべくり007、THE MUSIC DAY、Mステにも18年ぶりに出演決定など、見事再ブレイクを果たした。
nobodyknows+とは
1999年、名古屋市で結成された5人組ヒップホップユニットである。
2003年メジャーデビュー。
メンバー
・ホクロマン半ライス!!!(デビュー時はHIDDEN FISH)
・Crystal Boy
・ヤス一番?
・ノリ・ダ・ファンキーシビレサス
・DJ MITSU
旧メンバー
g-ton
それにしてもメンバー、名前のクセがすごい。(これは以前出演したMステでもネタにされていた)
また、5MC1DJという比較的珍しい形式のユニットであった。(現在は4MC1DJ)
シングル「ココロオドル」のヒットから
2004年、シングル「ポロン2」がスマッシュヒットを記録し、勢いに乗っていたnobodyknows+はシングル「ココロオドル」をリリース。テレビアニメ「SDガンダムフォース」の主題歌となったことも相まって、オリコン週間シングルランキング10位にランクイン、さらに順位を伸ばしていき、最高位5位を記録。最終的には2004年度年間シングル売上ランキング38位を記録。
また、その直後リリースされたアルバム「Do you know?」は売上は約80万枚を記録し、一気にブレイクを果たす。
そして年末には紅白歌合戦に出場し、その年を象徴するアーティストとなる。
メンバーそれぞれ声的特徴があり、また、見た目(アフロ、ドレッド、キャップなど)などもわかりやすく、当時までのヒップホップ=悪そうな人たちというイメージから彼らの登場で少し離れていった印象がある。(もちろん少し前から活躍していたDragon Ash、KICK THE CAN CREW、RIP SLYMEがお茶の間にヒップホップを浸透させたおかげでもあるが)
その後もヒット曲を連発
ココロオドルからシングルはなんと5作連続トップ10入り。
g-tonの脱退
まだまだ勢いに乗っている2007年、オリジナルメンバーでnobodyknows+の象徴的人物であったg-tonが脱退。※THE FIRST TAKEの「ココロオドル」の歌唱ではたまたま海外から帰ってくるタイミングであったため参加
その後、シングル「Hero's Come Back!!」をリリース。
アニメ「ナルト疾風伝」のOPとなり話題となるが、そこにg-tonの姿はなかった。
THE FIRST TAKEではそのHero's come Back!!も披露
そこからnobodynows+をテレビで見る機会、チャートで見かける機会は徐々に減っていく。
そしてその翌年、ベストアルバムを出したのを最後に、所属していたソニーミュージックとの契約を終了させ、表舞台から姿を消すこととなる。
メジャーデビューからわずか5年の出来事であった。
現在のnobodyknows+
以後は名古屋メインで中日ドラゴンズの応援ソングやナゴヤドームでのイベントなどをしていたようだが、現在の各メンバーのお仕事は以下の通りである。
DJ MITSU
音楽スタジオ運営・不動産業(宅建免許所持)
Crystal Boy
専門学校での講師・服屋のオーナー・鳶
ノリ・ダ・ファンキーシビレサス
農園の経営・プロレスラー(引退済み)
ホクロマン半ライス!!!
飲食店店長・Tリーグ(卓球)「トップおとめピンポンズ名古屋」の試合のMC、応援団長
ヤス一番?
居酒屋オーナー
音楽が本業なのか、副業なのか(笑)
ただ、仕事をしながら好きな音楽をするスタイルもなんとも素晴らしい。
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nobodyknows+はセルアウトだったのか
さて、前置きが長くなりすぎたが本題に入ろう(笑)
現在はあまり聞かなくなった言葉だが、「ココロオドル」リリース当時のヒップホップ業界は、ラッパーが大衆受けを狙ったJ-POP寄りな曲をリリースするとよく「セルアウト」と言われていた。
売れることを目的としているといったように、売れること=悪と捉えているラッパーやヒップホップファンが少なからず存在していた。
あいつはメディアに魂を売った、テレビなどのメディアに出ないアンダーグラウンドこそがヒップホップだという意見である。
私が考えるに、例えばスタイルを変えて売れた人はセルアウトと呼ばれても仕方がない。(例えば今までゴリゴリにラップをやって大衆受けを狙ってなかった人がサビで急にラップをせずにj-popみたいな曲を歌いだしたり、feat.で恋愛ソング等)
ところがnobodyknows+の場合はどうだろうか。
シングルでヒットした「ココロオドル」「シアワセナラテヲタタコウ」「エルミラドール」なんかはがっつり歌ってるわけでもない。HOOKと呼ばれるサビの部分もしっかりラップをしている。
シングル「メバエ」ではがっつり歌ってしまっているが、アルバム曲も含め、あくまでもラッパーというスタイルは維持しているように思える。
また初期の曲に比べても、少しスタイルは変わっているが、軸はぶれていない印象。
そして彼らの凄さは、曲のトラックが速いことである。
メジャーデビュー後も速いテンポの曲でラップをしていた。日本人はヒップホップに相当疎いため、ラップ=早い曲という考えが少なからず存在していると思う。そして日本人がカッコいいと思えるテンポのBPMを利用し、
ラップ=速い曲=かっこいい=盛り上がるパーティーチェーン
というものをnobodyknows+は作り上げていったと感じる。
そして、その高速トラックについていけるラッパー陣の技量と、また曲を作ってるDJ MITSUの凄さである。
昔ある記事でnobodyknows+は日本語ラップの完成形と言われている記事を見たことがあるが、確かにその通りかもしれない。
完成形だからこそ、リリースから18年も経った楽曲が今の時代の若者、当時とは違う層にもウケているのかもしれない。
だが、ヒップホップに疎い人間はそれらが全部同じ曲に聞こえていってしまうのが難点であり、この手のアーティストは飽きられてしまうパターンが多いのも事実である。
ただ、私が思うに彼らは売れることにそこまでこだわってなかったように思う。デビューから5年ほどでメジャーから降り、そして今の現状を見ると地元でライブ、ゆっくり曲を作り、メンバーは別の仕事もしている。
これこそ自由でヒップホップなのではないか。
一番ヒップホップをしているのは彼ら達ではないのか。
結論:自分たちのスタイルを維持しつつ、売れる方向にシフトしていったのでセルアウトとは言い切れない。
インチキ音楽ライターみたいな記事になりましたすいません(笑)