民家の壁に「マルフク」と書かれた看板を昔はよく見たものである。
この「マルフク」の看板。
今もたまーに民家に貼られているのを見かけるが、上記写真のように色あせてしまっていることがほとんどである。
かつてこの看板がまだ多く貼られていた頃、私もまだ小さかったので「よく貼ってあるなあ」くらいの印象だった。
このマルフクとは一体何なのだろうか。。
下記wikipediaより
株式会社マルフクは、かつて存在した日本の電話加入権売買・電話担保金融業者である。
かつては、全国に拠点を有する数少ない電話担保金融業者として、中小企業や個人事業主、および消費者向けの融資・レンタル電話事業を行い、貝塚市に事務センターおよび全国に数百の店舗を構え、日本全国津々浦々の民家などに、赤と白のブリキの看板やホーロー看板が設置されていた。
とのことである。
マルフクは電話の加入権を担保に融資を行っており、電話担保金融業者といったところではマルフクが最大手であったが、固定電話の普及が減り、携帯電話が普及されたこと、電話加入権の担保価値が下落したことにより事業を縮小。
というのも携帯やスマホが主流の我々からしたら考えられないが、当時は固定電話を引くのにも電話加入権と言われる権利が必要で、その電話加入権が相当高額だったようで。しかしNTTの制度改定により加入権の価値が半滅したのだとか。
→マルフクはその後、普通の貸金業へと移行するも2002年5月には全店舗を閉鎖し資産の大部分他社へ売却し、実質廃業となったようである。
しかし、このマルフク。
一体どうやって民家の壁に看板を貼り付けたのだろうか。
看板が貼られているのは比較的田舎の普通の家。
ピーク時は全国に50万枚貼られていたとか。
実際に看板を掲載していた家主の人の話によると、
マルフク側が直接家主に打診し、お金を支払って掲載してもらうシステムだったようで、謝礼金は年間5000円~10000円程度。しかし、その一方で洗剤やタオルしかもらえなかったという話もある。このようにして広告費を節約し、何年単位という契約もなく一度貼ってしまえばそのまま。かなり画期的な広告システムだったともいえる。
そして現在でもマルフクの看板がネットで販売されるなどレトロ看板としての人気、現存するマルフク看板を紹介するTwitterのbot、検索ワードには電話してみたというワードが予測検索ワードに出てくるなど、なにかと話題性はあるようである。
しかし、会社自体は廃業しているためこのマルフク看板も絶滅危惧種なのかもしれない。
【絶滅危惧種シリーズ】