コロナ禍になり、各外食産業は苦戦を強いられ大量閉店に追い込まれるチェーン、倒産に追い込まれるチェーンも数多く存在した。
しかしその中で急速にブームになったのが、テイクアウトができる「から揚げ専門店」である。
「から揚げの天才」もそのうちの1つであった。
から揚げの天才とは
原木中山店(千葉県)
居酒屋チェーンのワタミが運営。揚げたてのから揚げと、テリー伊藤氏プロデュースの玉子焼きを、イートイン/テイクアウトで販売する専門店である。
2018年11月、東京大田区に1号店がオープンすると、行列のできる繁盛店に。
人気に火がついたのはコロナ禍の2020年。4月の時点では6店舗だったのが、7月には100店舗を超え、一時は120店舗まで店舗数を拡大していた。
確かに2020年頃は都内でよく見かけた印象。
勢いはあの時の「東京チカラめし」くらいの勢いはあった。。
からあげの天才とは真逆にコロナ禍で閉店に強いられる店は多く存在した。
その中でも代表的なのは「キッチンジロー」である。
こちらはコロナ禍により客足が遠のき、15店舗中13店舗を閉店。
残りはたったの2店舗である。
大量閉店?
ここ1.2年は閉店ラッシュが続いており、店舗数は最盛期の約半分の60店舗程。
原因としては様々な要因が考えられるが、まず一つは唐揚げ店の飽和状態である。2021年に3123店あった唐揚げ店は、22年に4379店と増加傾向にある。この結果、過当競争となり市場が飽和し、以前ほどの売り上げが確保できないという。
また、スーパーの惣菜やコンビニ、冷凍食品などでも種類が増え、唐揚げは手軽に安く買えてしまうため、わざわざ専門店に行って唐揚げを買いに行く人が減ってしまったのも要因の1つなのだろうか。
同じくすかいらーくグループでガストに併設している唐揚げ専門店の「から好し」も昨年より閉店する店舗が増えてきている。
また、唐揚げに使用される輸入鶏肉(ブラジルやタイなど)の価格が高騰している。唐揚げの「安い」というイメージから「値上げは難しい」といった声も多く見られ、客離れの懸念と仕入れ価格高騰による収益減の板挟みとなり、経営破綻する唐揚げ店も少なくないようである。
ただでさえ客離れの中、値段を上げてさらに客離れするのを恐れた結果なのだろうか。。
帝国データバンクによると2023年は倒産する唐揚げ店が過去最多の22件と、過去の6件を大きく上回る結果となっていた。
実際に行ってみた
不動前店(東京都)
毎回恒例の行ってみた。
テリー伊藤がお出迎え。
メニューを見てみる。
オープン当初からこんなにメニューあったけ?と驚いたが、から揚げだけじゃないんですねえ。
今回は一番左上に載っている、からたま定食(から揚げ3個)を注文。
から揚げの種類は選べるので、今回は、
・白(極出汁)
・黒(秘伝の黒醤油)
・赤(コクの赤味噌)
といかにもスタンダードっぽいものを注文。
こういうから揚げの味が選べるのは良いですね◎
写真じゃあまりわからないかもしれないが、とにかく量が多い!
から揚げはデカいし、キャベツは山盛り盛られているし、ご飯の量も普通盛りとは思えないほどの多さ。どさくさに紛れてきんぴらもついている(笑)
このボリュームで840円なら安い!!
それぞれ色が違うから揚げ。
しっかりとした味付けのボリューミーなから揚げ。
そしてテリー伊藤こだわりの玉子焼き。
テリー伊藤の実家は有名な玉子焼き屋である。
甘い玉子焼き。
から揚げのしょっぱさにより甘さが際立ち、いい口直しとなっていた。
しかし、平日の14時過ぎにもかかわらず、客足は止まることはなく、とても店舗を減らしているチェーンとは思えなかった。
ただ、この定食、量が多い!
私のような男性には大満足だが、果たして女性は食べ切れるのだろうか。。
ショッピングモールにあるタイプのから揚げの天才。
アリオ北砂店
ブーム後
近年ではタピオカなど、ブームは一瞬にして過ぎ去っていく。
あんなにあったタピオカ店も今や経営難で多くが閉店してしまった。
しかし、ブームが過ぎ去った後もタピオカを扱っている「春水堂」「貢茶」などの
チェーンはいまだ根強い人気で生き残っている。
から揚げはおかずとして万人に愛されてはいるが、上述のようにお店が増えすぎて飽和状態になっているのも事実である。。
「から揚げの天才」はどのようにして生き残っていくのか。今後に注目である。